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白い花の舞い散る時間 (コバルト文庫)

白い花の舞い散る時間 (コバルト文庫)
価格:¥ 580
友桐 夏(著),水上 カオリ(イラスト)
おすすめ度
途中までは良かったけど・・・。
ネットで交流していた5人が四泊五日のオフ会で会うことになった。彼女たちの共通点は、同じ塾に通っている女子高生というだけで、他のことは何も知らない。そしてオフ会でも、匿名のまま過ごすことに・・・。しかし、5人の筈のメンバーは4人しか来なくて、山の中の建物の周辺には怪しい人の気配が・・・。 誰が誰だか分からない。来なかった一人や、誰かがついているかもしれない嘘。不安や好奇心の入り交じった感じ。主人公であるミズキすらも過去については謎にしたまま少しずつちりばめられる情報。

途中まではいい、ライトミステリーって感じで、本当に良かったと思いました。
文章や構成はデビュー作だけあってうまいとは言えないけど、設定やキャラの魅力的なものが良くて、ずっと『面白くなりそう』という期待を抱かせる描き方でした。

でも、最後がひどい。
ネタばれになるから詳細は言えないけど、期待だけふくらみ、蓋を開けてがっかりといった感じ。
途中で宗教が出てきた時にちょっとと思ったんですが、途中までいい意味でゆるやかなミステリーの雰囲気を持っていたのに、ラスト付近では現実味がなくなり、あまりに突然全てのことが合致する答え合わせ。終盤に表したミズキの本性にもがっかりしました。キャラが豹変しすぎ!!

そして、超能力的な謎の力。
これが出てくると、ミステリーというものは台無し。

恩田陸を目指したようなストーリーだったのですが、キャラづくりと設定の軽さが出てしまった様で、大きく膨らましたのに中身が伴わなかったといった感じ。全ての謎解きをしないでも、少しくらい謎を残した方が魅力的な終わり方だったと思う。

もっとこの作者の作品が読みたい!!
冒頭のネットでも匿名なのに更にオフ会でも匿名でいましょうという二重の、ゲームのようなルールがあまりに面白くって誰が誰なのかという人物捜し的なあてものにグッと引き込まれただけに、終盤しょぼくなったらどうしようと思っていたのですが、まったくの杞憂でした。途中で「は?」というような設定が突如提示されてとまどったのですが、それからの話の広がり具合、伏線の絡み合い具合や断片化した情報の収束っぷりときたら! ある程度次の展開を予想しつつ読んでいたのですが、一歩先をぐいっと進まれてしまったというか、いやはや、これは。後味が良いとは言い難いラストですが、気に入りました。ストーリー展開、キャラクター関係、設定、文章、謎、そのいずれもで満足。もっとこの作者の作品が読みたいです。

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