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紅い棘
奥菜恵(著)
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書いてある中身であるが、ご存じの通り、女優奥菜恵の芸能界半生記である。
悪く言う気もないが、正直、具体名がほとんど出てこず、作り話のようなリアリティのないものである。
他に読んだことがないので比較してはいけないのであろうが、芸能人の本というのはこういうものなのだろうか?
外国一人旅の体験、沖縄の神の島、初恋体験、結婚体験、つきあっていた年下の彼の義理を欠いた振る舞いが無秩序に語られる。
多くの人が関心を持つであろう「彼」(としか表現されていない)との結婚は、家事や社交を何もさせずにお金を与えるのが幸せで、随分無神経な発言が目立つという印象しか読者に与えないが、そういう彼との結婚を通じての思索を深めることで自らが成長した証は示されない。
つまるところ、彼側の言い分も聞いてみる必要もあるだろう。
ただ、「彼」がセレブと知らず結婚したというのは本当のようだが、却ってなんて世間知らずなという印象を持ってしまった。
結局、彼女は何がしたかったのだろう。俳優がそんなにしたいのなら、それを突き詰めればよいではないかと思うのだが、そうできない状況に自分が追い込んでいるのが不思議である。
最終章の自分探しは成功するのだろうか?
女性週刊誌などの芸能人の話題から、彼らの日常的な生活やトラブルを題材に学ぶことがあるように思うことも、時々、あります。
奥菜恵さんの前の夫・藤田晋(ふじたすすむ)さんの著書を、僕は数冊読んでいます。
彼の『渋谷ではたらく社長の告白』(2005年)は、かなり話題にもなりビジネス書としても良書と思いました。
彼との結婚によって、女優・奥菜恵さんが、僕の中ではクローズアップされました。
奥菜さんは、「何を求めているのだろう?」と問い掛けながら、この『赤い棘』を読みました。
夫婦の会話から、彼の言葉のひとつひとつに傷ついた積み重ね(p110〜p111)が、彼女の心の深い溝、亀裂になっていったのかも知れませんね。
この本を読みながら、勝間和代さんの『勝間和代のインディペンデントな生き方 実践ガイド』(2008年)のp168「男選びは最初の1回で成功することはまずない」という言葉を思い出しました。
それと、NHKラジオ第1「いきいきホットライン」(2007年5月10日)のテーマ「やる気ってなんだろう?」のゲスト・辻秀一さんの「人は過去を見過ぎると後悔を、未来を見過ぎると不安を抱くのです。だから、今を大切に生きる。結果より行動。今・今・今を心掛けるのです」の言葉を思い出します。
表現者・奥菜恵さんが、今を大切に生きる女優であることが伝わってくる『赤い棘』です。
のわりには別に普通の女性の心をつづった本でした。
表紙の写真では、すれた感じをみせて内面の毒が書かれているのかと
思ったのに、あまりに正統派すぎる文でがっかりです。
読むのも疲れるほど。
私がもっとブラックを求めていたからいけないのかな・・
奥菜恵さんはとっても普通の良い子でした。


